チャッキングとは 変形・面粗さが出ない時
【CHUCKING】チャッキングと聞くと、旋盤加工を経験された方であれば掴むことを想像するかと思います。
しかし、米国英語の【CHUCK】は 可算名詞であれば上記の使い方となりますが、不可算名詞となるとお肉の名前などで使用されます。はたまた、捨てる・放棄するなどの意味もあり驚きを隠せません。
弊社のような旋盤加工業からする CHUCK・チャック は 機械に付いてある部品の把握装置を指します。チャックに物をつかむ行為が 【チャッキング・CHUCKING】です。
旋盤においては、部品がチャッキングされていればいいわけではありません。
回転しながら削られている間、掴んでいるものが飛ばされないよう保持力も考慮しなければなりません。
しかし、強くチャッキングすると変形してしまうような部品も数多く存在します。
チャッキングの良し悪しが部品精度に直結することとなりますので、チャッキングという作業は旋盤加工において大変重要な作業となるわけです。
チャックには 爪 と呼ばれる部品を掴む部品があります。
2爪、3爪、4爪 など爪の数で種類は多岐に渡りますが、掴んでいる爪と削る対象(材料)の接点には力が加わっています。それがなければ保持できませんが、力の加わっている点に力が集中し変形の原因になってしまいます。
後藤精機ではよく 【おにぎり】になった と呼んでいますが・・・・
では、接点を多くすればどうでしょうか?
接点を多くするということは、包み込むということ。
力は分散され1点にかかる力は弱くなり、変形を抑制することができます。
それだけではなく、削るという作業は振動を発生させています。
みなさんが振動する物を止めようとする時、手で押さえますよね。
旋削(旋盤加工で削ること)している時も同じで、振動するものを抑え込む役目も果たします。
指先で抑え込むより、掌で抑え込むほうが効率的です。
全把握していることで、より振動を抑え込むことが可能となります。
振動は加工面に影響します。
想像してください
ペンでまっすぐな線を引きたいのに、机が揺れていてはキレイな線は書けません。
【扇爪】でチャッキングすることでより精度の高い製品を生み出すことができるのです。